原題 | Clinicopathological significance of MYL9 expression in pancreatic ductal adenocarcinoma. |
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掲載 | Cancer reports (Hoboken, N.J.) |
記述言語 | 英語 |
著者 | Katsunori Matsushita, Shogo Kobayashi, Hirofumi Akita, Masamitsu Konno, Ayumu Asai, Takehiro Noda, Yoshifumi Iwagami, Tadafumi Asaoka, Kunihito Gotoh, Masaki Mori, Yuichiro Doki, Hidetoshi Eguchi, Hideshi Ishii |
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PubMed | |
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背景
膵管腺がんは最も悪性度の高いがんの一つであり、しばしば腫瘍の早期段階から浸潤や遠隔転移を引き起こすことが知られている。ミオシンIIは腫瘍の進行や転移の制御において重要な役割を果たすことが報告されている。
目的
本研究では、ミオシン調節軽鎖ポリペプチド9(MYL9)ががん細胞の増殖を制御するかどうかを検討した。
方法および結果
膵管腺がんにおけるMYL9の発現パターンおよび臨床的意義を調査するため、膵管腺がん患者101名から収集した検体に対し、免疫組織化学的解析を実施した。さらに、MYL9の発現が膵管腺がん細胞の増殖やアポトーシスに与える機能的役割を評価するため、in vitro(試験管内)実験を行った。その結果、MYL9は主に膵管腺がん細胞の細胞質および細胞膜に発現していることが確認された。多変量解析の結果、MYL9は全生存率(OS)および無遠隔転移生存率(DMFS)における独立した予後因子として機能することが示された。また、MYL9の発現は、がん細胞の増殖や抗アポトーシス活性を含むin vitro解析において、悪性度と強く関連していた。
結論
本研究の結果から、MYL9は膵管腺がんの独立した予後因子であることが示唆された。MYL9は膵管腺がんにおける重要なバイオマーカーであり、治療標的としての可能性を持つ。