原題 | N(6)-methyladenosine methylation-regulated polo-like kinase 1 cell cycle homeostasis as a potential target of radiotherapy in pancreatic adenocarcinoma. |
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掲載 | Scientific reports |
記述言語 | 英語 |
著者 | Shotaro Tatekawa, Keisuke Tamari, Ryota Chijimatsu, Masamitsu Konno, Daisuke Motooka, Suguru Mitsufuji, Hirofumi Akita, Shogo Kobayashi, Yoshiki Murakumo, Yuichiro Doki, Hidetoshi Eguchi, Hideshi Ishii, Kazuhiko Ogawa |
DOI | |
PubMed | |
PubMed Central |
膵臓がんにおいて、N(6)-メチルアデノシン(m6A)メチルトランスフェラーゼであるメチルトランスフェラーゼ様タンパク質3(METTL3)は、腫瘍に対して有利な効果をもたらし、患者の予後に対するリスク因子であることが知られています。しかし、METTL3が調節する遺伝子の詳細は依然として不明です。いくつかのRNAがメチル化を受けることが確認されていますが、膵臓がんにおいてどの遺伝子が優先的に調節されるのかは明らかになっていません。
本研究では、エピトランスクリプトーム解析により、Polo様キナーゼ1(PLK1)が膵臓がん患者の予後を決定する重要なハブ遺伝子であり、RNAメチル化がその細胞周期特異的な発現調節に関与していることを明らかにしました。我々は、インスリン様成長因子2 mRNA結合タンパク質2(IGF2BP2)が、PLK1の3’非翻訳領域(3′ UTR)のm6Aに結合し、PLK1の発現を上昇させることを発見しました。また、この部位の脱メチル化により、複製ストレスを介してアタキシア・テランギエクタジア変異関連タンパク質(ATR)経路が活性化され、有糸分裂カタストロフィーが増加し、放射線感受性が上昇することが示されました。
これらの結果は、PLK1のメチル化が膵臓がんにおける細胞周期の維持に不可欠であり、新たな治療標的となる可能性を示唆しています。