研究成果

研究論文(学術雑誌)

遺伝子改変マウスの膵腫瘍検出への線虫がんスクリーニング検査の応用

遺伝子改変マウスの膵腫瘍検出への線虫がんスクリーニング検査の応用

原題

Application of C. elegans cancer screening test for the detection of pancreatic tumor in genetically engineered mice.

掲載

Oncotarget

記述言語

英語

著者

Yuji Ueda, Koichi Kawamoto, Masamitsu Konno, Kozo Noguchi, Satoru Kaifuchi, Taroh Satoh, Hidetoshi Eguchi, Yuichiro Doki, Takaaki Hirotsu, Masaki Mori, Hideshi Ishii

DOI

https://doi.org/10.18632/oncotarget.27124

PubMed

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31534627

PubMed Central

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6739214

概要

膵管腺がん(PDAC)はごく早い段階から転移を起こします。そのため、膵がんを根治するには早期発見と早期治療が欠かせず、安価で体への負担が少ないがんスクリーニングの仕組みが必要です。私たちのグループはこれまでに、尿中のがんのにおいに反応する線虫(C. elegans)を用いて、さまざまなヒトのがんを検出する新しい方法を開発してきましたが、この方法がヒト以外の生物種にも有効かどうかはわかっていませんでした。

本研究では、遺伝子改変マウスに自然発生した膵腫瘍の検出にこの方法が有効かを調べました。膵臓特異的にKrasG12D変異やc-Met欠失をもつマウスを作製し、腫瘍が自然発生する確率と、これらのマウスの尿に対する線虫の走化性指数を測定しました。これまでの報告どおり、このマウスモデルで膵上皮内腫瘍性病変を引き起こすにはがん遺伝子KrasG12Dが必要で、c-Met変異による上乗せの効果は見られませんでした。

走化性の解析から、線虫は健康なマウスの尿を避ける一方、KrasG12Dをもつマウスの尿には引き寄せられる傾向があることがわかりました。本研究は、線虫がKrasG12Dモデルマウスの尿中の膵がんのにおいを識別できることを示しており、がんのにおいが生物種をこえて似ていることを示唆しています。この結果は、線虫ががんを検知する仕組みについての今後の研究を後押しするものです。

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