研究成果

研究論文(学術雑誌)

細胞を含まない培養上清はマウスで膵β細胞系譜に特異的なエピジェネティック・リプログラミングを引き起こす

細胞を含まない培養上清はマウスで膵β細胞系譜に特異的なエピジェネティック・リプログラミングを引き起こす

原題

Cell-free culture conditioned medium elicits pancreatic β cell lineage-specific epigenetic reprogramming in mice.

掲載

Oncology letters

記述言語

英語

著者

Koichi Kawamoto, Tomofumi Ohashi, Masamitsu Konno, Naohiro Nishida, Jun Koseki, Hidetoshi Matsui, Daisuke Sakai, Toshihiro Kudo, Hidetoshi Eguchi, Taroh Satoh, Yuichiro Doki, Masaki Mori, Hideshi Ishii

DOI

https://doi.org/10.3892/ol.2018.9008

PubMed

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30127922

PubMed Central

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6096232

概要

膵β細胞の細胞リプログラミングを試験管内や生体内で実現するには、乗り越えるべき課題がいくつもあります。本研究では、膵インスリノーマ細胞MIN6の培養から得た、細胞を含まない培養上清(CM)によって、エピジェネティックな表現型を伝えられることを示しました。

MIN6の亜集団であるm14細胞とm9細胞を比べると、MIN6-m14細胞のほうが細胞リプログラミングを起こしやすいことがわかりました。エピジェネティックなプロファイリングにより、転写因子である膵・十二指腸ホメオボックスタンパク質1(Pdx1)の結合がクローン間で異なることが明らかになりました。分化した脂肪細胞をMIN6-m14細胞の培養上清で培養すると、インスリンmRNAの発現が誘導され、Pdx1の結合というエピジェネティックな変化を伴っていました。

プロファイリングからは、Pdx1が、小胞体(ER)のジスルフィド酸化酵素であるER oxidoreductin 1遺伝子の、これまで知られていなかった領域に優先的に結合することも示されました。以上の結果から、MIN6細胞の培養上清は、分化した脂肪細胞に膵β細胞のような表現型を誘導できることがわかりました。これらのデータは、細胞リプログラミングに細胞を含まない培養上清が有用であることをさらに裏付けるものです。

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