研究成果

研究論文(学術雑誌)

低酸素は大腸がんにおいて発がん性長鎖ノンコーディングRNA LINC00152 の細胞質への局在を促す

低酸素は大腸がんにおいて発がん性長鎖ノンコーディングRNA LINC00152 の細胞質への局在を促す

原題

Hypoxia stimulates the cytoplasmic localization of oncogenic long noncoding RNA LINC00152 in colorectal cancer.

掲載

International journal of oncology

記述言語

英語

著者

Yujiro Nishizawa, Masamitsu Konno, Ayumu Asai, Jun Koseki, Koichi Kawamoto, Norikatsu Miyoshi, Hidekazu Takahashi, Naohiro Nishida, Naotsugu Haraguchi, Daisuke Sakai, Toshihiro Kudo, Taishi Hata, Chu Matsuda, Tsunekazu Mizushima, Taroh Satoh, Yuichiro Doki, Masaki Mori, Hideshi Ishii

DOI

https://doi.org/10.3892/ijo.2017.4218

PubMed

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29345294

概要

近年の研究で、長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)が、がんの発生のあらゆる段階を含むほぼすべての生理的な細胞過程で重要な役割を果たしていることが示されています。腫瘍微小環境の低酸素は浸潤や転移といった腫瘍の悪性のふるまいに関わることから、大腸がん細胞におけるlncRNAの細胞質と核への局在を調べました。

低酸素条件で細胞を培養すると、LINC00152など、大腸がん細胞の細胞質で量が増えるlncRNAがいくつか見つかりました。データベースによる解析から、LINC00152は低酸素誘導因子1(HIF1)とmiR-138やmiR-193などのマイクロRNA結合部位を共有していることがわかり、低酸素状態の大腸がん細胞の細胞質で、HIF1の翻訳を高める競合的内在性RNAとして働く可能性が示唆されました。

さらに、手術で切除した検体の解析から、LINC00152の発現が高い大腸がん患者は生存率が悪いことがわかり、低酸素条件下の細胞質でLINC00152が発がん性の機能をもつという考えを支持する結果となりました。本研究は、lncRNAのネットワークが大腸がん細胞に対する診断ツールや新たな治療標的となりうることを示しました。

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