研究成果

研究論文(学術雑誌)

計算科学的トランスオミクス解析により消化器がん幹細胞の化学療法耐性におけるメチローム・トランスクリプトームの関与を解明し、新たな治療標的を同定

計算科学的トランスオミクス解析により消化器がん幹細胞の化学療法耐性におけるメチローム・トランスクリプトームの関与を解明し、新たな治療標的を同定

原題

Computational trans-omics approach characterised methylomic and transcriptomic involvements and identified novel therapeutic targets for chemoresistance in gastrointestinal cancer stem cells.

掲載

Scientific reports

記述言語

英語

著者

Masamitsu Konno, Hidetoshi Matsui, Jun Koseki, Ayumu Asai, Yoshihiro Kano, Koichi Kawamoto, Naohiro Nishida, Daisuke Sakai, Toshihiro Kudo, Taroh Satoh, Yuichiro Doki, Masaki Mori, Hideshi Ishii

DOI

https://doi.org/10.1038/s41598-018-19284-3

PubMed

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29343747

PubMed Central

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5772492

概要

消化器腫瘍のオルニチン脱炭酸酵素(ODC)デグロン陽性がん幹細胞モデルを用いて、化学療法薬である5-フルオロウラシル(5-FU)やシスプラチン(CDDP)を投与したときの、メチローム情報(デオキシシトシンの5位がメチル化された5-メチルシトシン(5mC))とトランスクリプトーム情報との関係を調べました。

5mCメチル化を定量したところ、患者ごとにゲノム領域の大きさの分布や強度にさまざまな変化が見られました。これらの変化をまとめるため、大量のデータをすべて滑らかな関数に変換し、その面積を5mCメチル化の代表値として扱いました。この計算科学的アプローチによって、メチロームのデータを個々の転写単位に結びつけやすくなり、5-FUやCDDPなどの抗腫瘍薬に強く反応する新たな治療標的として、腫瘍壊死因子受容体関連因子4(TRAF4)などの候補遺伝子を同定しました。その重要性はマウスモデルでも生体内で確認されました。

本研究は、消化器がんの化学療法耐性幹細胞モデルにおいて、5mCメチル化レベルが遺伝子発現と逆相関することを示しました。この数理的手法は、消化器がん幹細胞における化学療法耐性に関わる標的を、定量と同定を同時に行いながら探すのに用いることができます。

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