研究成果

研究論文(学術雑誌)

マイクロRNAはヒト大腸がん細胞のエピジェネティック・リプログラミングを誘導し悪性の表現型を抑える

マイクロRNAはヒト大腸がん細胞のエピジェネティック・リプログラミングを誘導し悪性の表現型を抑える

原題

MicroRNAs Induce Epigenetic Reprogramming and Suppress Malignant Phenotypes of Human Colon Cancer Cells.

掲載

PloS one

記述言語

英語

著者

Hisataka Ogawa, Xin Wu, Koichi Kawamoto, Naohiro Nishida, Masamitsu Konno, Jun Koseki, Hidetoshi Matsui, Kozou Noguchi, Noriko Gotoh, Tsuyoshi Yamamoto, Kanjiro Miyata, Nobuhiro Nishiyama, Hiroaki Nagano, Hirofumi Yamamoto, Satoshi Obika, Kazunori Kataoka, Yuichiro Doki, Masaki Mori, Hideshi Ishii

DOI

https://doi.org/10.1371/journal.pone.0127119

PubMed

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25970424

PubMed Central

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4430240

概要

がんは遺伝子の病気ですが、その発生と進行にはエピジェネティックな変化も関わっています。これまでの研究で、Oct3/4、Sox2、Klf4、cMycを用いて大腸がん細胞をリプログラミングすると、がんの悪性度が下がることが示されており、がんのリプログラミングは化学療法や放射線療法に耐性のがん細胞の治療に役立つ可能性があります。また、マイクロRNA(miR)302sやmiR-369-3p、-5pといった内在性の小さなノンコーディングRNAを導入すると、細胞のリプログラミングが誘導されることも報告されています。miRは転写因子の遺伝子よりも小さいため、臨床での利用に適していると考えられます。

そこで、miR-302sとmiR-369-3pまたは-5pを用いて大腸がん細胞をリプログラミングしたところ、細胞の増殖と浸潤が抑えられ、大腸がん細胞の間葉上皮転換の表現型が促されました。重要なことに、これらのRNAの導入によって、DNAの脱メチル化やヒストン修飾といったエピジェネティックなリプログラミングが起こりました。さらに、マウスの生体内に投与すると、ミトコンドリアのBcl2タンパク質ファミリーが関わるがん細胞のアポトーシスが誘導されました。

本研究は、miR-302sとmiR-369sの導入によって細胞のリプログラミングが誘導され、ヒト大腸がんの悪性の表現型を調節できることを示しており、機能をもつ小さなRNAを適切に届けることが、ヒトの悪性腫瘍に対する新たな治療の道を開く可能性を示唆しています。

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