研究成果

研究論文(学術雑誌)

大腸がんに対する新たな治療アプローチとしてのマイクロRNAを用いたがんリプログラミング法

大腸がんに対する新たな治療アプローチとしてのマイクロRNAを用いたがんリプログラミング法

原題

A Cancer Reprogramming Method Using MicroRNAs as a Novel Therapeutic Approach against Colon Cancer: Research for Reprogramming of Cancer Cells by MicroRNAs.

掲載

Annals of surgical oncology

記述言語

英語

著者

Susumu Miyazaki, Hirofumi Yamamoto, Norikatsu Miyoshi, Xin Wu, Hisataka Ogawa, Mamoru Uemura, Junichi Nishimura, Taishi Hata, Ichiro Takemasa, Tsunekazu Mizushima, Masamitsu Konno, Yuichiro Doki, Masaki Mori, Hideshi Ishii

DOI

https://doi.org/10.1245/s10434-014-4217-1

PubMed

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25384704

概要

【背景】私たちは以前、4つの転写因子(Oct3/4、Sox2、c-Myc、Klf4)を標的とするマイクロRNAを導入して脂肪幹細胞をリプログラミングし、人工多能性幹細胞を作製しました。本研究では、その治療への可能性を探るため、マイクロRNAを用いてがん細胞をリプログラミングすることを目指しました。

【方法】成熟マイクロRNA(mir-302a〜d、369-3pと5p、必要に応じてmir-200c)を、リポフェクションで大腸がん細胞(DLD-1、RKO、HCT116)に導入しました。

【結果】導入した細胞は胚性幹細胞のような形態を示し、未分化マーカー遺伝子Nanog、Oct3/4、SOX2、Klf4や、腫瘍関連抗原TRA-1-60を発現しました。また神経や脂肪へ分化するマーカーも発現し、がん細胞のリプログラミングが部分的に成功したことが示されました。さらに、マイクロRNAを発現させたDLD-1細胞は、がん抑制遺伝子p16(ink4a)とp21(waf1)の発現上昇を伴って、試験管内でも生体内でも増殖活性が低下していました。多剤耐性タンパク質8の発現低下によるとみられる、5-フルオロウラシルへの感受性の上昇も見られました。DLD-1、RKO、HCT116から得たリプログラミング細胞では、4つの転写因子で作製した人工多能性がん細胞でc-Mycが高発現するのとは対照的に、c-Mycの発現が低下していました。

【結論】成熟マイクロRNAを単純なリポフェクションで導入する私たちのがんリプログラミング法は、外来遺伝子が宿主ゲノムに組み込まれることを避け、c-Myc遺伝子の発現増加も回避できるため、安全で臨床応用に適しています。

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