研究成果

研究論文(学術雑誌)

がん遺伝子c-Mycは大腸がんにおいてエピトランスクリプトームのm6Aリーダー YTHDF1 の発現を促進する

がん遺伝子c-Mycは大腸がんにおいてエピトランスクリプトームのm6Aリーダー YTHDF1 の発現を促進する

原題

Oncogene c-Myc promotes epitranscriptome m6A reader YTHDF1 expression in colorectal cancer.

掲載

Oncotarget

記述言語

英語

著者

Yujiro Nishizawa, Masamitsu Konno, Ayumu Asai, Jun Koseki, Koichi Kawamoto, Norikatsu Miyoshi, Hidekazu Takahashi, Naohiro Nishida, Naotsugu Haraguchi, Daisuke Sakai, Toshihiro Kudo, Taishi Hata, Chu Matsuda, Tsunekazu Mizushima, Taroh Satoh, Yuichiro Doki, Masaki Mori, Hideshi Ishii

DOI

https://doi.org/10.18632/oncotarget.23554

PubMed

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29484125

PubMed Central

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5800917

概要

腫瘍におけるRNA修飾の多様性についての近年の研究は、RNA修飾が診断や創薬の真の標的となりうることを示しています。N6-メチルアデノシン(m6A)は、さまざまなRNAのエピトランスクリプトーム修飾として最初に報告され、最も一般的なものです。YT521-Bホモロジー(YTH)ドメインファミリーは代表的なm6A結合タンパク質ですが、YTHドメインファミリーががんにどう関わるのかは明らかになっていません。

大腸がんの臨床シーケンスデータでは、ファミリーのなかでもYTHDF1の過剰発現が際立っていることから、Ythdf1の役割とYTHDF1の転写制御を調べました。Ythdf1の免疫染色では、その発現が深達度、リンパ節転移、進行した病期など、さまざまな悪性の腫瘍のふるまいと関連していました。患者の生存解析では、Ythdf1の発現が高い患者は全生存率が有意に低く、Ythdf1の発現は独立した予後因子であることがわかりました。

試験管内の実験では、YTHDF1をノックダウンするとがん細胞の増殖が抑えられ、フルオロウラシルやオキサリプラチンといった抗がん剤への感受性が高まりました。重要なことに、YTHDF1遺伝子の上流を調べると、発がん性の転写因子c-Mycが、発現データとクロマチン免疫沈降データの両方でYTHDF1と関連していました。さらに、c-MycをノックダウンするとYTHDF1が抑えられ、c-MycからYTHDF1へとつながる経路の重要性が裏付けられました。これらのデータは、m6AリーダーであるYthdf1が大腸がんの進行に大きな役割を果たしていることを示唆しています。

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