研究成果

研究論文(学術雑誌)

ポリアミンの流れはヒストンリシン脱メチル化酵素を抑制し、がん幹細胞におけるID1の発現を高める

ポリアミンの流れはヒストンリシン脱メチル化酵素を抑制し、がん幹細胞におけるID1の発現を高める

原題

Polyamine flux suppresses histone lysine demethylases and enhances ID1 expression in cancer stem cells.

掲載

Cell Death Discov.

記述言語

英語

著者

Tamari K, Konno M, Asai A, Koseki J, Hayashi K, Kawamoto K, Murai N, Matsufuji S, Isohashi F, Satoh T, Goto N, Tanaka S, Doki Y, Mori M, Ogawa K, Ishii H

DOI

https://doi.org/10.1038/s41420-018-0117-7

PubMed

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30455990

PubMed Central

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6234213

概要

がん幹細胞(CSC)は腫瘍を形成する能力をもち、化学療法や放射線療法への耐性を生み出すことがあります。ポリアミン(PA)の生合成を律速する酵素であるオルニチン脱炭酸酵素(ODC)の分解モチーフ(デグロン)を標識するシステムを用いると、不均一な腫瘍細胞集団の中にあるがん幹細胞様の細胞を可視化することができます。

このシステムを用いてポリアミンの流れを解析したところ、がん幹細胞ではポリアミン代謝が活発であることがわかりました。また、細胞内のポリアミンが、リシン特異的脱メチル化酵素1(LSD1)をはじめとするヒストンリシン4脱メチル化酵素の活性を阻害することが示されました。

RNAポリメラーゼII(Pol II)抗体を用いたクロマチン免疫沈降と超並列DNAシーケンシングの結果、がん幹細胞では転写開始点にPol IIが全体的に集まっていることが明らかになりました。細胞内のポリアミンを増やすと、ID1遺伝子の発現が高まりました。本研究の結果は、がん細胞の幹細胞性をエピジェネティックに制御する代謝経路の詳細を明らかにし、がん幹細胞に対する有効な治療標的を示すものです。

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