研究成果

研究論文(学術雑誌)

ポリエチレングリコール-ポリリジンブロック共重合体-ウベニメクス複合体はアミノペプチダーゼNを標的とし、肝細胞がん幹細胞に抗腫瘍効果を発揮する

ポリエチレングリコール-ポリリジンブロック共重合体-ウベニメクス複合体はアミノペプチダーゼNを標的とし、肝細胞がん幹細胞に抗腫瘍効果を発揮する

原題

Poly(ethylene glycol)-poly(lysine) block copolymer-ubenimex conjugate targets aminopeptidase N and exerts an antitumor effect in hepatocellular carcinoma stem cells.

掲載

Oncogene

記述言語

英語

著者

Reishi Toshiyama, Masamitsu Konno, Hidetoshi Eguchi, Hiroyasu Takemoto, Takehiro Noda, Ayumu Asai, Jun Koseki, Naotsugu Haraguchi, Yuji Ueda, Katsunori Matsushita, Kei Asukai, Tomofumi Ohashi, Yoshifumi Iwagami, Daisaku Yamada, Daisuke Sakai, Tadafumi Asaoka, Toshihiro Kudo, Koichi Kawamoto, Kunihito Gotoh, Shogo Kobayashi, Taroh Satoh, Yuichiro Doki, Nobuhiro Nishiyama, Masaki Mori, Hideshi Ishii

DOI

https://doi.org/10.1038/s41388-018-0406-x

PubMed

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30089817

概要

これまでの研究から、アミノペプチダーゼN(APN)/CD13は活性酸素種(ROS)を減らすスカベンジャーとして、肝細胞がん(HCC)幹細胞の生存に関わることが示されてきました。そのため、APN/CD13を阻害すれば細胞内のROSが増え、細胞が化学療法薬に感受性を示すようになると考えられています。ベスタチンとも呼ばれるウベニメクスは、細胞膜上のAPN/CD13などのプロテアーゼを競合的に阻害し、急性骨髄性白血病やリンパ浮腫の患者に臨床で使われていますが、より高い濃度ではAPN/CD13陽性のHCC幹細胞を死滅させることが研究で示されています。

本研究では、APN/CD13陽性のがん幹細胞に対する効果を高めるため、ポリエチレングリコール-ポリリジンブロック共重合体とウベニメクスの複合体(PEG-b-PLys(Ube))を開発しました。PEG-b-PLys(Ube)はAPNの酵素活性を阻害して細胞内のROS濃度を高め、アポトーシスを誘導してHCC細胞の増殖を抑えました。また、マウスではPEG-b-PLys単独やリン酸緩衝生理食塩水よりも比較的強い抗腫瘍効果を示しました。

さらに、アイソボログラム解析により、フルオロウラシル、シスプラチン、ドキソルビシンとPEG-b-PLys(Ube)の併用で相乗効果が見られることがわかりました。本研究は、PEG-b-PLys(Ube)がウベニメクスの性質を損なうことなく、強力な抗腫瘍効果を発揮することを示しました。

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